在宅訪問診療を始めた理由
超高齢社会の日本では2025年問題として言われる高齢者問題が財政悪化も絡まって、医療・介護政策が大きく変わりつつあります。
厚労省は社会保障の充実と財源確保を目的に、社会保障と税の一体改革を掲げ、病院病床削減と在宅医療の推進、地域包括ケアを推し進めています。医療・介護・生活・住まいの見直しを図り、一体的に提供できる地域包括ケアでは中学校区の日常生活圏で30分以内に必要なサービスが整えられるような整備に着手していますが、地域包括ケアを推進するうえで、在宅医療の充実・良質な医療介護福祉の提供は非常に重要な鍵であると考えます。
急性期のがん拠点病院で末期がん患者さんの緩和ケアに2000年から関わってきましたが、ここ数年で社会・医療の動向に合わせて緩和ケアも大きく変化したと感じています。
緩和ケア病棟においても、ゆったりと心のケアを行いながら良質な最期の時間を過ごすことは難しくなっており、住み慣れた療養場所で質の高い医療をなしえるかに移っています。
しかし一部の地域ではがんの痛みやこころの悩み、サポート体制の不備のため、まだまだ在宅が困難なところがあります。
私たちの誰もが安心して最期まで過ごせるようにしていきたい、そんな社会にしたいという思いをもって、みずほ在宅支援クリニックを立ち上げ、微力ながら貢献していきたいと考えています。